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ブロマガからの移転記事です。

【モバマス考察妄想】不思議の国の魔法使いと、橘ありすの七年戦争。


12歳  141 68-52-67  右利き  A型  7/31  兵庫



どうもわたしです。
モバマス考察妄想、今回は橘ありす。
なにげに59プロ創設期からのメンバーだったりします。
考察妄想のレギュレーション設定前に一度語りましたが、改めてやり直します。

さて、いつものお約束です。
この考察妄想はモバマスカード及び誕生日の台詞をもとにおこなっておりますが、
あくまでもわたし一個人の主観・偏見に基づくものであります。
公式や皆様の橘ありす観への干渉、およびアイドルを貶める意図はありません。
また引用台詞の表記揺れ・部分省略等はご容赦ください。






 「言われた仕事はしますから、心配しないでください」

そんな素っ気ない態度から始まる橘。
今までの橘の世界にはなかったアイドルの仕事を始めたのに、
いきなり「心配しないでください」とはなかなか度胸のあることを言ってくれます。
でもそれらは、彼女が自信過剰なわけではないようで、

 「ありすって、日本人ぽくない名前でイヤでした」

と、橘は名前に対するコンプレックスを抱えていることは知られていると思います。
コンプレックス持ちへの対処法はたったひとつ「触れないこと」なのですが、
どうしても名前に言及してしまいがちですよね。
あまつさえ「かわいいのに」とか言ってしまう人もいたでしょう。
名前嫌いな子は、たとえいい感想であったとしても無関係。触れられるだけで嫌なんです。

 「私が無理してるって……思って……?」
 「これくらい、一人で出来……あれ?」

一人で頑張ろうとしてしまうのは、他人を信用していないのか、
あるいは「自分一人で頑張らなきゃいけない」という刷り込みがあるのか。
そこら辺をPは見抜いたのでしょう。

 「プロデューサーは私の周りの大人とは少し違います……いい意味で」

大人の手を借りようとしない橘にこう言わしめることになります。
難儀に思える橘の性格にどう向き合っていくか……その辺を紐解いてみたいと思います。






 「ついに本格的にアイドルデビューですね。えへ……なんだか笑ってしまいますね」

まず、名前に対するコンプレックスについて。
Pの誘いによって、アイドルという不思議の国へ迷い込んだ橘ありすは、
キラキラの衣装をもらってステージに立つことになります。
そして、そこで。

 「プロデューサーの言うとおり、みんなに覚えてもらえると思うから……えへへ」

観客が、口々に感想を言ったと思うんです。「ありすちゃんって子、すごいね」って。
そしてそこで、橘は嬉しくなったんだと思うんです。
今まで嫌なものでしかなかったありすという名前で、みんながすごいと言ってくれる。

「名前がかわいい」ではなく「橘ありすはかわいい」って言ってくれる

みんなが「橘ありす」を見てくれる。
ありすという物珍しい名前ではなく、橘ありすという人の頑張りを見てくれる。
しかもすごいって言ってくれる。それが嬉しかったんじゃないでしょうか。
恐らくは、褒められ慣れてないでしょう橘ですから尚更です。

 「プ、プロデューサー、あの、別に……私の名前……呼んでもいいですから」

これは橘にとって大きな転機。
こうして名前に自信を持つことが出来た橘は、まずはPに名前呼びを許し、
「ありすという名前」ではなく「橘ありす」を見つめてくれるPに、心を開くのです。
橘はたぶん、等身大の橘ありすと向き合ってくれる人を求めていたのではないでしょうか。
そして、信頼できる大人を得た橘は、少しだけ子供に戻ることが出来るようになります。

 「あの……上手に出来ました!
 「あの……別に、子供扱いとかは、しなくっていいんですからっ」
 「ほら、こんなに大きくて真っ赤な苺ですよ!…あっすみません…はしゃいでしまって」
 「ありすって名前……プロデューサーが呼んでくれるから……大好きです!
 「子供っぽいと思いますが……でも、今はそれでいいんです!えへへ!

しかし、子供に戻れたと思ったのも束の間、橘に事件が起きます。






 「一体何を考えているんですか? あまりに分不相応だと思います」

橘ありす3枚目のカードにして、いきなりのウエディング。
誰もが一度は憧れる衣装です。橘だって例外ではありません。
ですがこのお仕事によって、橘を悩み多くしてしまいます。

 「なんだか……落ち着きません」
 「できます……それなりに」
 「私だってこういうドレスに憧れが無いわけじゃないです。
  でも結婚できる歳じゃないし……もう、わかってください」

ウエディングとなれば当然「相手」を意識することになります。
子供っぽいことを気にしている橘ですから、同級生は対象外。
では大人はどうかと言えば、信頼できる大人は、目の前にいる魔法使いくらいしかいない。

 「○○さん、待てますか。いいから待てるか答えてください」
 「○○さんといると……なんか変な感じです。もう……どうしたらいいのかな


意識してしまうのも無理はありません。
佐々木千枝の時にも似たようなことを書きましたが、結婚は大人がするものです。
大好きな人と結婚するにあたっては、橘自身が大人になる必要があります。

 「早く大人になりたいです。なぜって……いいじゃないですか」

では大人になるためにはどうすればいいか。
橘が出した答えは「大人に見られるように努力すること」でした。






 「レシピ通りやれば誰がやったってできます。当たり前じゃないですか」

そして再び、ツンケン橘が帰ってくることになります。
以前の癖だったのでしょうか、橘って頑張ろうとすると一人になりたがる気がします。
橘にとって「大人になる」とは、他人に甘えない、自分がしっかりする……
恐らくそういったイメージなんだと思います。完璧主義というやつでしょうか。

 「おいしいって言わせて見せますから。○○さんに、必ず」
 「一応、○○さんのアドバイスも聞いておいてあげます」
 「私は大丈夫ですから、子供扱いしないでください。
   上着なんて、かけてくれなくてもいいです。いいのに……○○さん……」


橘ってほんと頑張り屋さんですよね。そのパワーは本当にすごいと思います。
Pの意見は一応聞こうとしているあたりに信頼感が垣間見えますが、橘は橘。
ほんと頑なと言いますかなんと言いますか。そこがかわいいんですけどね。

 「小さいこの面倒は私が見ます。私の面倒は……ええと……あの」

こういうところ、やはり橘は「自分がしっかりしなきゃ」という意識が根強いようです。
頑張ろうとすると一人になりたがる。助言はあまり快く思わない。
そういったおこないをしてしまう理由はなんなのか。

 「○○さんに心配かけないようにしっかりしますから」

答えは意外と簡単で、幻滅されることを恐れているからだったりします。
子供にとって親は、いくつになっても親です。
特に幼少期であればあるほど、親を神様にも似たような視線で見てしまいます。
そんな神様たる親が、子供に多くを求めすぎてしまった場合、
子供は親の期待に応えようと頑張りすぎてしまうんです。
もっと言えば「親の期待に応えられなかったら捨てられる」と思い込んでしまうんです。

 「子供じゃないんです」

セリフを読み解いていくと、橘がPとやりあう?シーンが多いのですが、
それは実は、自分にも他人にも完璧を求めてしまうが故にそう見えるだけで、
根本には完璧にこなせない自分に対する苛立ちや、自己評価の低さがあるのです。
だから下に見られることを嫌うわけです。本人にとっては本当のことなので。






 「親は忙しくて授業参観にも来ないのに……すごいですね」

橘は両親とふれあう時間がほとんど無く、
恐らくですが、両親から「しっかりしなきゃ」みたいに育てられてきたのでしょう。
だから自分でしっかりしなきゃいけないと、周りの手を借りずに頑張ろうとするし、
幸か不幸か、タブレットという「武器」も手に入れています。
橘は賢いので、周りの人間のダメなところが筒抜け。なので周囲を信用しないのです。
しかも橘は12歳。そろそろ精神的に不安定な時期に入ってきているでしょう。

 「……準備があるんです。女の子には」

いわゆる思春期は11歳前後から始まり、18歳頃まで続くと言われています。
思春期という名の、橘ありすの七年戦争はまだ始まったばかり。
しかも橘の場合は、ずっと前から頑張って大人になろうとしてきた子ですから、
子供として甘えてたい欲求も、それを認めたくない・大人になりたい気持ちも強い。
決して弱音を吐けないという苦しい状況を自分で作ってしまっています。

 「学校は……まぁ、いつも通りです

大人を信じない橘と、大人に頼りたい橘。大人に心配させたくない橘。
意識的にも無意識的にも、それらがぶつかり合っているんですよね。
橘は明晰ですけど、明晰だからこそ余計なものまで見えるので、心の余裕はありません。
なので考え込ませるよりも、身体を動かした方がいいのかもしれません。
そして、橘がついつい興奮しちゃうような場所に放り込む方がいいのかもしれません。






 「○○さんも食べるんですか? ふふっ、大人なのに……」
 「ふふ、○○さんも思わず身体が動いちゃいましたか?」

 「……私も自分に嘘はつけませんね

橘にとってPは神様……とまではいかないと思いますが、とにかく信頼しています。
そんなPとコミュニケーションを深めていく中で、
不完全な橘を受け入れてくれたり、Pが自身の不完全を否定しないことによって、
橘に溜まった圧力を逃す場所を作れたのではないでしょうか。

 「大人になっても、クリスマスはワクワクしますよね?」
 「たまには絵本も悪くないです」


橘にとって必要だったのは、発散できる場所。
Pはそこを見抜いて、初期Rの成功体験やイチゴ狩り、ウエディングを着せたことなど、
(本当は純粋な)橘を夢中にさせる環境を作ってきたんだと思います。

そうすることで、橘の奥底にしまい込まれていた素の感情や、
本来発揮されてしかるべきポテンシャルを引き出せるようになってきたんだと思います。
(そういう意味で、周子や文香と組んだのは完璧なストライクだと思うんだ……)






 「このプランを、笑わなかったら……私も、真剣にやりきります」

それがいわゆるタチバナ・サーガという形でカードに現れます。
(橘にとって)完璧じゃない橘ありすが出せる全力を、勇気を出して見せてきたんです。
笑わなければ、という条件を付けて。

 「私の世界を大事にしてくれたこと……忘れません」

本気のものに、本気で応えてもらえなければ、そこで橘の気持ちは折れてしまいます。
完璧主義者は完璧以外を許せません。100以外であれば0も99.9999…もすべて失格です。
気持ちが折れれば二度と復活しないでしょう。
ですがPは応えてくれました。
橘が作った、本当は出すのが怖かったであろう「橘の世界」を受け入れてくれたんです。

 「本当の魔法使いは○○さんかも……忘れてください」

ずっと橘が求めていた、橘と対等に向き合ってくれる人。橘を橘でいさせてくれる人。
他力の極みではありますが、橘はプロデューサーと出会うことができました。
ゲーム中のPってすげーよほんと……






 「『○○さん、私の魔法を信じますか?』……タダのセリフです」

橘は魔法使いによって、不思議の国へ迷い込みました。
不思議の国の魔法使いと橘ありすの七年戦争は、まだ始まったばかりです。
プロデューサーという魔法使いは、橘と同じ目線で向き合ってくれる。
だから今度は、橘がPと同じ目線が向き合えるように、
少しでも早く大人になろうと努力していくんだと思います。

……でも、たまには弱音を吐いてもいいのよ、橘。



今回の考察妄想は以上となります。長文にお付き合い頂きありがとうございました。